文学・芸術

黒(玄)の神秘性

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クロユリ(黒百合 学名 Fritillaria camtschatcensis)はユリ科バイモ属の高山植物。別称はエゾクロユリ(蝦夷黒百合)。3365514_624
クロユリ(黒百合 学名 Fritillaria camtschatcensis)はユリ科バイモ属の高山植物。別称はエゾクロユリ(蝦夷黒百合)




 黒のレクイエム 黒の神秘性



色彩の中で、一番美しいのはブラックである。

とイシコロは思う。

喪服、礼服、黒の服装、ココ・シャネルが愛した黒の基調。

青春、朱夏、白秋、玄冬と緑や朱を青春の色とするが、着用してみると黒には敵わない。


いかなる愚鈍で、はすっぱな人間をも、美しく蘇生させる黒の魔力だ。

人間界のみならず、陶磁の世界においても歴史的に同じ現象が証明される。

古代中国の祭礼に使用した黒釉陶、古代ペルシャの黒陶、黒高麗、黒唐津、黒織部、瀬戸黒、陶磁の世界にも反映される。


黒の色彩は陰影、すなわち謎、未知、Darkness に通じる。

目に見える明るい可視の世界だけでは美は成り立たない。

明暗、陰影、暗黒があってはじめて、美の世界は脚光を浴びる。

どこか謎めいた得体の知れない暗黒の部分に興味を示すわけだ。


死後の世界は、だれも垣間見たことがない。

可視光線の中で、一番近いのは暗黒の闇を表現する黒色である。

未知、畏怖、尊厳、おそれ、不安、懐疑、人間に最も身近な色は黒の色彩である。


芸術の世界では、時代の評価に耐えきれず、やがては玄冬の世界において、己の力の限界を見いだす。

口に出して言わなくても、畢竟、自分はその程度の才能だったことがわかる。

だから、存命中に有名になった人物はあまり居ない。

評価ではおおむね不遇の死を遂げている。


現代では、刹那、瞬間に金儲けをたくらむメディアの策略・奸計に乗せられて、

連日、瞬間のトピックに登場するニンゲンたちの犠牲者は、あまりにも多い。

人には自己顕示欲があり、有名人志向は強いが、有名になることは醜いことである。


有名になることは、衆目に曝され、私生活まで暴露され、心の安まる暇はない。

無名であることは、目には見えない暗視・暗黒の世界に安住して、他者の介入を許さない。

だれからも邪魔されず、無為自然の世界に潜む Silent Majority の安寧こそが黒の世界である。

河原乞食(江戸の芸人、俳優業、スポーツ、芸術・学問を問わずメディアでもてはやされる有名人)の生涯は、現代の方が過酷であろう。


黒のエチュードは、歴史の、時代の、現代のかなしみを呑みこんでこそ素晴らしい。

やはり、黒の世界に優るものはない。

やきものと言っても、黒、Black、Darkness 、の境界はなく、これがまたおもしろい。




黒高麗徳利 李朝初期
黒高麗徳利 李朝初期


高麗時代の黒高麗の徳利。黒高麗(鉄彩青磁) img58162620高麗時代の黒高麗の徳利。黒高麗(鉄彩青磁)


池西 剛  黒高麗扁壺  01623-1
黒高麗扁壺 池西 剛  


黒高麗の特徴である薄い鉄釉をかけてから濃い鉄釉が施されたことが分る高台部には、李朝の特徴である砂目跡や箆目跡が独特の趣を添えています。
池西 剛 黒高麗扁壺 ・・黒高麗の特徴である薄い鉄釉をかけてから濃い鉄釉が施されたことが分る高台部には、李朝の特徴である砂目跡や箆目跡が独特の趣を添えている


池西 剛 黒高麗徳利
黒高麗徳利 池西 剛 


黒高麗茶碗 銘「薬王菩薩」73.5man
黒高麗茶碗 銘「薬王菩薩」 田中佐次郎


古唐津徳利 銘『老松』
黒唐津徳利 銘『老松』 桃山時代


 
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