教育評論

ウインウイン 「ともにある」

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フラクタル図形 Figure fractal




 怒りの連鎖を鎮める


私は、宗教や宗教家は信じていない。政治家はなにをか況んや。
無神論者と言った方が早いかもしれない。
他力本願の人は救われるかもしれないが、私の魂は救済されない。
マザーテレサ同様、魂の救済を求めても救済されないことをこの老齢で熟知しているからだ。

人の数だけ正しい主張・生き方があるのだから、腹を立てる必要もあるまい。
すべてが自分の意識のなせる技で、何事も自分に始まり自分に帰結するだけだ。
何事もおのれの願望とはうらはらに、「なるようにしかならない」と諦観している。

それぞれの宗教の教典にある言葉や表現は不愉快ではない。
哲学、形而上学、文学の視点から観れば私の好奇心を惹く人間心理と語彙が豊富である。
宇宙の真理を探究する賢者であればこの程度のことは言えるだろう。
完璧な人間などいるはずがないのに、自分を教祖として神格化する人など信用はできない。


 ベトナム禅僧、ティク・ナット・ハン

彼の主張は哲学的・幾何学的(フラクタル相似形)におもしろい。

人間は独立して存在している訳ではない。
上下左右の中心にいつも晒されている。

左にいれば右があり目障りである。
右にいれば左があり鼻につく。
下にいれば上を羨み嫉妬するし、
上にいれば下を蔑み嘲笑う。
そしていつも不平不満の愚痴の中で生きている。

不平不満が大規模に高ずればそれは怒りに変わる。
この地球は、そんな怒りのビッグバンに化している。
どうしたらこの怒りの連鎖を鎮めることができるのだろうか?


00 to 桃花紅 桃花紅 peach bloom 大清康煕年製 香合 589000end



 相互共存 Interbeing

『もしもあなたが詩人なら、この紙の上に雲が浮かんでいるのが、はっきり見えることでしょう。雲がなければ雨は降りません。雨が降らなければ、木は育ちません。そして木がなければ紙はできないのですから、この紙がこうしてここにあるためには、雲がなくてはならないのです。もしここに雲がなかったなら、ここにこの紙は存在しません。この一枚の紙の中には、あらゆるものが入っているのです。

ここにないものをひとつでも捜すことはできません。時間、空間、地球、雨、土壌の中の鉱物、太陽の光、雲、川、熱・・・すべてのものが、この一枚の紙の中に共存しているのです。「ここにある」とは「ともにある」ことです。私たちが、あるいは、何かのものが、ただ自分だけで存在するということはありえないのです。私たちは、ほかのすべてのものとともに存在しているのです。一枚の紙がここにあるのは、ほかのあらゆるものがここにあるからなのです。』 

【「微笑みを生きる <気づき>の瞑想と実践」ティク・ナット・ハン著。春秋社。「一即多、多即一:One for all, All for one」、すべてのものがつながって相互共存しているという仏教の考え方をinterbeingという造語で表している。ただし、下手な正義を振りかざさすレトリックとして悪用されてしまう両刃の剣の危険はつきまとう。】


 自分を苦しめる人

『慈悲の本質は理解する心であり、他人の身体的、物質的、そして心理的苦悩を理解する力です。また自分を苦しみに引き込む人たちの苦悩も瞑想してみてください。他人を苦しめる人は必ず自分も苦しんでいるのです。その人もまた犠牲者なのです。』 
                           
 『あるとき私たちは、小さな難民ボートの少女が海賊に強姦されたという手紙を受けとりました。この少女はまだ12歳でした。この直後、彼女は海に飛び込んで自殺してしまったのです。はじめてこのような事件を聞くと、だれでも海賊に激怒します。ひとりでに少女のがわに立ってしまいます。しかしもっと深く見つめてみたら、この事件はちがったふうに見えてきます。この少女のがわに立つのは簡単なことです。怒りに燃えて銃をとって海賊を殺せばおしまいです。

もしあなたや私が、きょう、このような貧しい漁村に生まれたら、私たちは25年後には海賊になっているでしょう。銃をとって海賊を殺したら、私たちは自分たちを撃ち殺すことにならないでしょうか。なぜなら私たちはみんな、程度の差こそあれ、そのような状況に責任があるからです。』

【「微笑みを生きる <気づき>の瞑想と実践」。ティク・ナット・ハン著。春秋社。】


 生死(しょうじ)

 『自分が宇宙の中にあり、宇宙が自分の中にあることを、しっかり心にとめましょう。宇宙が存在してこそ自分も存在し、自分が存在してこそ宇宙も存在するのです。そこには誕生もなく、死もありません。あらたに生ずるものもなければ、消え去るものもないのです。』 

 『横たわります。静かに呼吸をととのえます。それから、自分の体が白骨になって、地面に横たわっているところを想像してください。ほほえみを浮かべて、静かに呼吸を続けましょう。葬られて80年がたち、その肉体はすでに朽ち果て、地中に骸骨となって横たわっています。その骨をしっかり見て下さい。心穏やかにほほえみながら、静かに呼吸を続けます。この骸骨があなた自身ではないことに気づいてください。

あなたの肉体はあなたそのものではないのです。そして生きとし生けるものと一つになりましょう。木々や草、他の人びと、鳥や獣たち、空や海や波―それらの中に永遠に生きるのです。この骸骨はあなたのほんの一部にすぎません。あらゆるとき、あらゆるところに、あなたは存在しています。あなたは単に、肉体としてのみ存在しているのではありません。まして感情や思考、行動や知識があなたでもないのです。』
 


 
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