教育評論

道徳教育は家訓に似たり

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井上毅 s0030l




 道徳、教科に格上げ 

 有識者会議案、15年度導入目指す



 2013年11月11日19時40分

 小中学校の道徳教育見直しを検討している文部科学省の有識者会議が11日あり、正式教科ではない道徳を教科に格上げする報告案をまとめた。検定教科書の導入も盛り込んだ。文科省は中央教育審議会の議論を経て2015年度にも教科化する考えだが、「特定の価値観の押しつけになりかねない」などの批判を呼ぶ可能性がある。

 報告案は、道徳教育の現状を「一部に『機能していない』との厳しい指摘もあり、期待される姿に遠い」などと指摘。抜本的な改善・充実を図るために、教科化する案を示した。

 教科は通常、検定教科書▽数値による成績評価▽中学以上は教科の免許を持つ教師が指導――の三つが必要。このうち教科書については、「質の高い教材を、全ての子に安定的に提供」するために検定教科書の導入が必要とした。ただ、「心のあり方を教える道徳に検定がなじむのか」と疑問視する意見もある。


なぜ道徳を教科化する必要があるのか

 2013.11.09 教育


◆「道徳教科化」に向けた動きが、再度始まった

文部科学省の有識者会議は、現在は正式教科でない小中学校の「道徳の時間」を「特別な教科」に格上げし、検定教科書の使用を求める素案を固めました。(11/7産経「『道徳』教科に格上げし検定教科書使用 文科省有識者会議案 27年度にも」)

道徳の教科化は、平成19年に第1次安倍晋三政権当時の教育再生会議でも提言されていましたが、見送られました。その大きな理由が、「国が価値観を押し付けるのか」というよく聞かれる批判を恐れたことにあります。

今回もこの動きに反応して、沖縄タイムスは大学教授の発言を取り上げ、子どもたちは「自由に物事を考えたり、発言もできなくなり、戦前の教育勅語体制に戻ってしまう」とし、日本の民主主義への危機を訴えています。(沖縄タイムス 11/7)


 ◆道徳の現状


まず現在の道徳の現状を見てみたいと思います。

教育学者であり日本教育史を専門とする貝塚茂樹氏のセミナーで、大学で講義を受ける大学生たちに、「小中学校で学んだ道徳教育で記憶に残っていること」を聞くと、約6割の生徒が白紙を提出すると聞いたことがあります。中には、「道徳教育はなかった」と言う生徒もいるそうです。

確かに周りに聞いても、「道徳の時間はNHKの番組を見る時間だった」という声を聞きます。道徳の時間を、他の教科や運動会の準備にあてる学校もあるようです。

道徳の時間が有効に使われていないことに対して、教員にだけ問題があるとも言い切れません。どれだけ熱意ある教員であったとしても、教員になるための必須単位の中で、道徳に関するものは2単位(半年間で15時間)です。

道徳とは何かという根源的なことも教わらず、その奥にある宗教についての理解も浅いという前提で、年間35時間の「道徳の時間」を有意義に組み立てることは、難しいでしょう。道徳の教科化に関しては、大学の教員免許の在り方から見直すべきです。


 ◆道徳教科化のための、具体案

「教科書」について、文科省は当面は「心のノート」を改訂して使うと考えているようですが、民間に任せることがよいと考えられます。

現在すでに、「13歳からの道徳教科書」(道徳教育をすすめる有識者の会著)などが発刊され、道徳の副読本としての採用を求めています。学習指導要領に沿った内容としつつ、戦後歴史から消されてしまった偉大な先人達が数多く掲載され、子供たちにお手本を示すことができる事例を学ぶことができます。

「評価」に関しては、点数制にせず、教師の記述式評価もしくは自己評価と逃げ腰ですが、点数制の導入または併用も考えるべきです。

テストのみならず、日頃の態度や宿題等の提出物の評価、同級生や教師からの評価なども参考にできるのではないでしょうか。少なくとも、評価をしなければならないため、教師は道徳に真剣に向き合わなければならなくなります。

「教員免許」に関しては、取得の段階から道徳に関して見直しを行わなければなりません。道徳に関する授業単位を増やすと共に、道徳の授業の方法論を確立させなければなりません。道徳が教科になることで、学問として大きく発展することになります。

 ◆教育とは、先人たちから受け次ぐ正しき価値観

道徳の教科化に対して反対する根底には、戦前が全て間違いで戦後民主主義がすべて正しいとした“常識”の下で、“価値観の押し付け=悪”だという信仰が、教育界に浸透していることにあります。

そのため、判断をすること、教えることを非常に恐れ、「価値観の押し付けや優劣の判断をしてはいけない」という「価値観を押し付けている」のが今の日本の教育です。

しかし、教育とは、ある意味で「正しい価値観の押し付けである」のではないでしょうか。なぜならば、教育とは、永い歴史の中で、善い・正しいとされたものを後の世代に継承していくことであるからです。

数学においては、三角形の面積を求める公式や円周率は変わりません。これらを先人が発見したからこそ、私たちはこの公式を基として、更なる学問の探究を進めて行くことが可能なのです。

どうして算数や数学、化学・物理には真理があり、その下に日進月歩を目指しているのに、道徳や道徳を担保する宗教に真理がない、もしくはその真理を教えてはならないと言えるのでしょうか。

人類は、先人たちが発見した真理を学び、それらを基礎として、新しい原理や真理を発見してきました。道徳、その奥にある宗教の中にある真理を核とした教育の真髄を子孫に伝えていくことでしか、今後の新しい時代を切り開く力は生まれてこないのです。

まずはその一歩を踏み出すための、道徳教科化を推し進めたいと思います。


 公務員制度改革 「内閣人事局」は機能する?

11月11日(月)12時52分配信


 政府は11月5日の閣議で公務員制度改革関連法案を決定しました。官邸主導で府省の縦割り人事をなくすことが主な狙いと言われています。公務員制度改革法案はこれまで何度も国会に提出されたものの、すべて廃案になっているのですが、果たして今回の法案の行方はどうなるのでしょうか?


 人事院の機能は残る

 今回の法案の中核となるのは、各府省の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」の新設です。これが実現すると、審議官級以上の幹部約600人の人事異動について、首相や官房長官の主導で決定することができるようになります。これによって縦割り行政がなくなり、官邸主導の政権運営が実現できるとしています。

 これまでも、約200人の次官や局長の人事については内閣の承認が必要でしたが、今回の法案では、この対象枠が広がるとともに、幹部人事を専門に扱う組織が作られる点が大きく変わっています。

 しかし今回の改革法案は仮に施行されたとしても、実際にはあまり機能しないと指摘する声もあります。内閣人事局が管理するのはあくまで幹部人事だけであり、公務員全体の雇用を司る人事院の機能はそのまま残されるからです。また幹部人事についても、身分保障といった重要な部分は引き続き人事院が管理します。官邸は、幹部の人事について降格までは指示することができますが、それ以上のことについては権限がないのです。

 公務員の身分は民間企業の社員と異なり、法律によって堅く守られています。給料を下げたり、クビにすることは原則として出来ない仕組みになっています。政府を会社にたとえれば首相は社長ですが、能力のある社員を抜擢したり、問題社員を解雇したりすることができないのです。今回の法案では、幹部を一定のルールの中で抜擢したり、降格することができるようになりましたが、懲戒や解雇ができないという状況は変わりません。


 「馬鹿な首相がでてきたらどうするんだ」

 公務員制度改革法案に関する一連の議論を見ていると、日本の民主主義に対する考え方に、先進諸外国とは根本的な違いがあることが分かります。与党内には、この法案に反対する公務員の意向を受けた慎重派議員も多く存在しています。官邸に人事権を付与することについて「馬鹿な首相がでてきたらどうするんだ」という趣旨の発言もあったと報道されています。このことは、国民から選ばれた人物がリーダーシップを発揮する事は危険なことである考える人が一定数存在しているということを示しています。

 民主主義とは本来、権力を持つ官僚組織が暴走しないように、国民が選んだ人物を行政組織のトップに据えるという考え方です。しかしこれとはまったく逆の価値観が存在し、そうした人物が選挙で選ばれているわけです。

 これまで何度も公務員制度改革法案が廃案になってしまったのは、公務員が改革に強く抵抗しているからといわれてきました。しかし公務員が反対したからといって、そう簡単に法案を廃案にできるものではありません。

 公務員制度改革法案がなかなか進展しないのは、学業成績が優秀だった官僚にまかせておけば安心だという一種無責任な考えが、主権者である国民の中にも存在していることが大きく影響していると考えるべきでしょう。




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