雑学曼陀羅

写真技術の発明と歴史

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zzd 1825年ごろニセフォール・ニエプスが版画を撮影したもので、最古の写真
1825年ごろニセフォール・ニエプスが銅版画を撮影したもので、世界最古の写真
この写真で、写真よりも銅版画の方が精緻で写実的で迫真力があったことがわかる。
このため、銅版画は限られた枚数のため、王侯貴族や富裕層しか購入できなかった。



 写真技術の発明と歴史


写真の歴史に関しては、西洋と東洋において、絵画や彫刻のような著しい差はない。その原因としては、現在の意味における写真の始まりが19世紀であり、その歴史が短いため、洋の東西で大きな差異が生じなかったこと(20世紀以降は、通信手段の高度な発達により、特に先進国間においては文化状況に差異が生じにくくなっている)が挙げられる。

日本の場合には、写真はまさに「輸入」した表現手段で、西洋の写真の「まね」から始まったという経緯も深く関係している。

 カメラ・オブスクラの原理

写真が発明される19世紀以前にも、光を平面に投影する試みは行われていた。画家達は、16世紀頃には立体の風景を平面に投影するために、カメラ・オブスクラ(「暗い部屋」の意)やカメラ・ルシダと呼ばれる装置を用い、その中に投影された像をトレースすることで、実景に似た絵画を描いた。

この初期のカメラは像を単に壁にある開口部を通して、暗くした部屋の壁に像を投影するだけで、化学的にその像を固定する技術はまだなかった。そこで、部屋を「大きなピンホールカメラにしたもの」で、人手でトレースする以外の方法でその像を残すことはできないものだった。

18世紀には、銀とチョークの混合物に光を当てると黒くなるというヨハン・ハインリヒ・シュルツェによる1724年の発見をはじめとして塩化銀やハロゲン化銀など銀化合物の一部は感光すると色が変わることが知られており、遊戯などに用いられていたものの、これとカメラ・オブスクラなどを組み合わせる発想はなかった。

カメラ・オブスクラの映像と感光剤とを組み合わせ、映像を定着させる写真技術の発明は、19世紀初めにほぼ同時に複数なされた。このとき美術は、新古典主義とロマン主義の並存する時期であった。また、産業革命により大勢誕生した中産階級によって、肖像画の需要が高まっていた。そして、石版画が新聞図版や複製画などに活用され、広まりつつあった。


zzd タルボットの撮ったカロタイプ。ウィルトシャー州の働く大工、1842-43年
タルボットの撮ったカロタイプ。ウィルトシャー州の働く大工、1842-43年


現代の写真処理は、1840年から最初の20年の一連の改良が基底である。ニセフォール・ニエプスによる最初の写真の後、1839年にはダゲレオタイプが発表され、直後にカロタイプも発表された。写真の普及は肖像写真の流行、1850年代の湿式コロジオン法の発明、1871年のゼラチン乾板の発明へと続く。


 日本の写真技術創始者 上野彦馬


安政5年(1858年)にオランダ軍医ポンペ・ファン・メールデルフォールトを教官とする医学伝習所の中に新設された舎密試験所に入り、舎密学(化学)を学んだ。このとき、蘭書から湿板写真術を知り、大いに関心を持つ。同僚の堀江鍬次郎らとともに蘭書を頼りにその技術を習得、感光剤に用いられる化学薬品の自製に成功するなど、化学の視点から写真術の研究を深める。また、ちょうど来日したプロの写真家であるピエール・ロシエにも学んだ。

その後、堀江とともに江戸に出て数々の写真を撮影して耳目を開き、文久2年(1862年)には堀江と共同で化学解説書『舎密局必携』を執筆する。


zzd 幕末の志士達と上野彦馬
幕末の志士達と上野彦馬


同年、故郷の長崎に戻り中島河畔で上野撮影局を開業した。ちなみにこれは日本における最初期の写真館であり(ほぼ同時代に鵜飼玉川や下岡蓮杖が開業)、彦馬は日本における最初期の職業写真師である。同撮影局では坂本龍馬、高杉晋作ら幕末に活躍した若き志士や明治時代の高官、名士の肖像写真を数多く撮影した。



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