余白の人生

ナルコランとナルコユリ

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x s アマドコロ(甘野老)




 ナルコランとナルコユリ



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寒葵成長観察登山の途中で見つけた野生のナルコラン



日本語の同化作用(訛る)には、文明に毒されない國や地域の幼生言語(幼児言葉)に多いオノマトペ(擬音語や擬態語)が発達して、情感ゆたかで微妙な違いまで表現できる美意識の宝庫でもあります。

詳しく調査研究したことはありませんが、どこの国にも語源辞典:etymology dictionary はありますが、英語には詳しいオノマトペを観たことはありません。

略奪・殺戮に明け暮れ、生産性を顧みない戦闘を繰り返してきた西洋の狩猟民族の歴史にそんな余裕はなかったでしょう。

平和ボケとオヒトヨシと嘲笑され、秋の虫やお香の微妙な違いを聞き分ける天分(旧日本人のみ)に恵まれた日本人だったからこそ、達成できた感性豊かな美意識の文化でした。



 ナルコラン(鳴子蘭)とナルコユリ(鳴子百合)



x s ナルコユリ



 アマドコロ(別名:ナルコラン)とナルコユリの違い


アマドコロといわれるユリ科の植物ですが、よく似た 『ナルコユリ』という植物があります。この2種はよく似ていて、ちょっと見ただけではなかなか区別がつきません。
まあ、適当にどっちか言っておけば、ばれる事はまずないと思います。

見分け方は、たいていの図鑑に書いてあります。
「茎が角張っていればアマドコロ。そうでないのがナルコユリ」

これでは実際に触って比べでもしないかぎり、判らないと思います。こんな曖昧な記述では…。でも、この二つの植物は結構簡単に見分けが着くので、見分け方を下にあげてみましょう。


x s ナルコラン



 茎の違い(一番確実)

何だかんだ言っても、これが一番確実です。茎を触ってみて、ちょっとでも引っかかりがあるのがアマドコロで、つるんつるんなのがナルコユリです。もうちょっと細かく言うと、アマドコロの場合は「これ、ちょっと引っかかりがあるかな?」と判る程度ですが、ナルコユリは全くと言っていいほどその感じがなくて、ホントにつるんつるんなんです。


 葉っぱの違い(参考程度)

自分で書いてて…これは結構アテになりません。
アマドコロの方は葉っぱが広く、卵をちょっと押しつぶしたような長楕円形なのに対して、ナルコユリは笹の葉に近いぐらいに葉っぱの幅が狭いです。ただし、この二種の植物、生息地の土壌の栄養具合で、結構葉っぱの変異が多いので、これだけで区別はしにくいようです。


 生えているところの違い(参考程度)

これもあまりアテになりません。アマドコロは日当たりのいいところに生えているところが多く、ナルコユリは少し薄暗い所に生えていることが多いです。とはいっても、お互いすぐ近くに生えている事もあったりします。


アマドコロ、ナルコユリには、似ている種がいくつかあります。 『オオナルコユリ』 『ミヤマナルコユリ』 『オオアマドコロ』『ホウチャクソウ』 などがそうですが、これらの区別も結構つきにくいです。

見分けやすい特徴を挙げると、

・ミヤマナルコユリ : 葉っぱの縁がしわになっています。
・オオナルコユリ : 名前の通りばかでかいです。丈が50cmくらいあります。


x s ミヤマナルコユリ


『ミヤマナルコユリ』ですが、葉っぱの縁が明らかに波打っているのが判ると思います。
また、アマドコロでは花が下に垂れ下がるのに対して、葉っぱの上の方についています。

また、下の写真は 『ホウチャクソウ』です。
「雰囲気が違う?」 と思いませんか? 茎をよく見てください。 二股に分かれているのが判ると思います。


さて、今まで挙げてきた植物は、基本的に見た目で区別がつきました。でも、そうでないものもあって…それが 『オオアマドコロ』です。 名前を見れば 「大きいんじゃないの?」 と思うかもしれません。 でも、そうじゃないんです。 なんと、オオアマドコロのオオは、 「大きい」 じゃなくて 「大味」 なのです。

これはどういうことかというと、アマドコロの名前の由来に関係があります。

アマドコロは、 「根が甘く、食べられる」 ことから来た名前だそうです。でも、オオアマドコロの方は 「アマドコロに似ているが、根が苦くて食べられない」 ことから来ているらしいです。実際、二つの植物の標本を見比べてみた事があったのですが、はっきり言って区別がつきませんでした。

余談になりますが、「じゃあ、 『アマドコロ』 の 『アマ』 は 『甘』 として、『ドコロ』 は何?」 と思われた方がいらっしゃるのではないでしょうか? おそらく、これは 『トコロ』 だと思います。 トコロとは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のうち、つる性植物の一群を差す総称です。 ここには、『キクバドコロ』 や 『オニドコロ』 などの植物が入ります。

山芋の別名を「とろろ芋」と言いますが、トコロ芋が原義で訛ったものでしょう。
海藻のトコロテンもトロロ芋のようにつるつる粘っこいテングサかもしれません。

山芋の印象として、まず真っ先に浮かぶのはなんでしょうか? 「粘つく」 事ではないかと思います。 また、山芋って、食べるところは根っこですよね。 アマドコロの根も、すり潰すと粘つくそうです。

ですから、『アマドコロ』 は、 「甘くて粘つく根っこ」くらいの意味になりますね。




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