文学・芸術

ハピーエンドは袋小路

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 ハピーエンドは袋小路

 未完了のツァイガルニク効果



  20170511 around


フォアグラだのエスカルゴだのゲテモノ(納豆やナマコが西洋人に気味悪いのと同じだ。食文化の違いはそんなものだろう。)だらけのフランス料理を食べたいとは思わない。

ところが、フランス文学、フランス映画となると、世界でも一流だと認めざるを得ない。

実生活では、まずそんなこと(ハピーエンド)はないのに、東洋人が好む儒教的教訓、勧善懲悪・刻苦勉励モノ(願望・妄想の幼児性ピーターパンシンドローム)とは裏腹に、フランス映画は、背徳的でアンハピーエンドのシーンがあるが、だれもがこころの深いところで憧れている心理を描出する業に長けている。

心理的には、ツァイガルニク効果とでもいうのだろうか。


心理学用語で、ツァイガルニク効果というのがある。

ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)とは、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象である。

ドイツのゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの「人は欲求によって目標指向的に行動するとき 緊張感 が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する」という考えに基づき、リトアニア出身で旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク(1901年11月9日 - 1988年2月24日)が「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」との事実を実験的に示した。

映画や小説で、ハッピーエンドよりアンハッピーエンドがより記憶に残り、初恋の人がなかなか脳裏から消えないとか。ストーカーを繰り返すのは、行為者の心理状態が目標達成に対し未完了のままであるからだ。

日本語の、未練が残る、義経の判官贔屓、かわいそうとは惚れたってことよ、と言ったところだろうか。

そもそも、我々ニンゲンの一生を観ても、高齢になると時代の流れについて行けなくなり、周囲からは忘れ去られ、時代に葬られてしまう。

そして、これだけでは終わらずに生老病死という結末が待っている。
これは悲劇的、悲観的(ペシミスティック)結末ではなくて、抗えない自然の摂理・法則を素直に受け入れて従うだけである。
これは、悲劇というよりむしろ喜劇と言ったほうがよい。

この意味で、むかしの仏文学や映画は、現実から目をそらさずに直視した「大人の心理」を描出した功績が大きかった。現代では、どの國も同じ街並みとファーストフードで味気ない。

さすがは、ロートレアモン、フロイト、モリエール、カミユの國だと感心するばかりである。




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