文学・芸術

第157回「芥川賞」候補作品

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0 ho 「星の子」今村夏子




 第157回「芥川賞」候補作品



 「星の子」今村夏子


 内容紹介

主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。
前作『あひる』が芥川賞候補となった著者の新たなる代表作。

出版社からのコメント

今村夏子さんの新刊『星の子』は「小説トリッパー」掲載直後から大きな反響を呼んだ話題の一冊。
これまでに発表された単行本は『こちらあみ子』(三島由紀夫賞受賞)、『あひる』(芥川賞候補、河合隼雄物語賞受賞)の2作だけという寡作ながら、作品を発表するごとにファンを増やし続けている今村さんの、最新作にして最長編作。


 愛読者のコメント

デビューから5年、今村夏子さんの最新作。
今年も芥川賞候補作になったんですね〜〜

高校受験を控える中3の林ちひろ。
出生直後から病弱だったちひろを救いたいという思いから、両親は「怪しい宗教」にのめり込んでいく。
私が読んだ「こちらあみ子」「あひる」と同じように、文中には不思議な危うさが漂っている。

判断力のない子供のうちから、宗教がうちの中に入っていたら…

「特別の生命力を宿した水」を信じたり、そのカタログにある紫の眼鏡を「ゆがみと認識された対象物を、脳に伝達する前に修正」してくれる眼鏡とほんとに思えるのだろうか?

でも、姉のまーちゃんは…家族でただ1人信じられなかった!
だから、そこにはいられなかった。
だから高1の時に家出した‼️

「お父さんとお母さんがああなったのはちーちゃんのせいだ、ちーちゃんが病気ばっかしてるから」という言葉を残して。

勿論、親戚だって、心配する。

お母さんの弟•雄三おじさんは「お水入れかえ事件」を起こし失敗…家に寄り付かなくなった。この家族には宗教の人達しか寄り付かなくなった。

不思議に、ちひろは宗教にも学校にもその他のことにも順応しているように見える。
不思議な子ではあるけど…
同級生の美人のなべちゃんとも、喧嘩もしたけど仲良しだ。学校の友達とも、普通に接する。

(お父さんに宗教を紹介した落合さん夫婦の子供が、気味悪い)
世間との違いを感じてはいるのだが…そこそこ両親の言うことも信じている、そうした事で家と社会で生きていく精神のバランスをとっているのだろう。いつ壊れるか、何かが起きるたびにそれは揺らいで振動する。

なべちゃんにぞっこんの新村くん、気持ちの優しい良い男の子だ!
皆言わないけど…知ってるんだ、宗教の事❗️
新村くんだけだ、知らなかったの。

だから…真っ暗になって私達3人が先生に車で送ってもらった時、通りかかった公園で不審者だって先生が言った2人は、私のお父さんとお母さんだと白状した。

「河童じゃなかったの?」と新村くん。
いつも着ているお揃いの緑のスウェット、頭に命の水を含ませた白いタオルを2人して頭にのせてたのは…河童じゃない❗️
でも…なべちゃんも、新村くんも、笑ったりしない「しんじてるの?」

ゆらゆらと揺れる心…信じていたい。

だって、信じられなくなったら〜まーちゃんのようになってしまう。
大好きな優しいお父さんとお母さん、一緒に信じていれば何事も起こらない。
でも…ちひろの外の世界はそれを許さない。

毎年「星々の郷」で行われる研修会。
学校でいつも1人の春ちゃんが連れて来た派手な髪の彼氏。会で知り合った人ではない、普通の人だ、なんて強い子だ。
信者じゃないのは自分だけ、なのに…こんな大きな場に1人で来るなんて!

「ぼくは、ぼくの好きな人が信じるものを一緒に信じたい。分かるまでここに来たい」

それが愛だ!

でも…このまっすぐな思いが溢れた言葉が、どうしてこんなに哀しいんだろう。
どうして素直に愛する人を信じる勇気を褒めてあげられないんだろう。

だってもし、彼が信者になって…子供ができたら…

まーちゃんやちひろのような思いをする子が、きっと現れる。それでも幸せなのか?
愛する人と同じものを信じて生きるのは、それが何であっても幸せなのか?

宗教的なお布施や押し売り、そんな事は敢えて強く描いてないない。
ただちょっとズレている可笑しさは、所々に織り込んである。

…宗教に染まった家族を憐れむような、関わりを持ちたくないような気持ちは、言葉の中に潜んでいる。
意図した悪意が胸に突き刺さる、

不穏な空気が…読者を取り込んで包んでいく。


今村さん独特の、静かで重たい空気が少しずつ溜まっていく。
やっぱり、今後も読みたい不思議な作家さん。
芥川賞とって欲しいな。




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