忘れえぬ光景
カンアオイ ブームの発端
カンアオイ ブームの発端と日本の歴史
これまで、あまり考えたことがなかった、未知との遭遇・意外な新発見である。
フタバアオイが徳川家の家紋であることぐらいは知っていた。
ブームの発端となったのは、一攫千金を夢見る庶民の願望であったこと。
射幸性(一山当てたい賭博性の強い、ゴールドラッシュブーム)の魅力に憑りつかれるニンゲンの本能的心理で、必ずしも純粋な審美眼からではなかったことだ。
当時、「葵は儲かるらしいぞ」のウワサが庶民の間にも拡がって、1株100両(換算できない) 寒葵のブ-ムがあったらしい。
路傍の雑草にすぎなかった地味で清楚なカンアオイには迷惑な話だったことだろう。
世界の文化は、王朝・貴族趣味が庶民に伝播・流布する仕組みになっている。
西洋の派手で煌びやかな趣味を私は好まないが、これを求め模倣するのは世の常である。
信長・秀吉は好んで求めたが、家康は質実剛健で歴史的長期政権、300年の礎を築いた。
加えて、慎重な危機管理・国防体制として鎖国令を敷き、経営管理・健康管理も配慮した。
最果ての東・極東という地理的条件に加えて、この長い鎖国政策が西洋列強の侵略・植民地化を免れた。と評価できるのかもしれない。
中国・インドをはじめ、日本以外のアジア諸国はことごとく侵略され植民地となっている。
侵略・植民地化を繰り返す西洋の狩猟民族と比べ、戦闘体制(現在も専守防衛)や武力装備に疎い、島国・稲作民族の最大の防御態勢であった。
カンアオイブームのきっかけが、素朴で純粋な植物を愛でる心からではなく、バクチ・投機の金欲目的であったとは、目から鱗が落ちる興味深い話しである。
寒蘭、春蘭、エビね蘭、かんあおい、希少山野草の突然変異種は、現在でも愛好家・数寄者の間では高値で取引されている。
この突然変異種、交配による珍種を育てて売買取引に成功した人たちが、本業よりも大金を儲けて立派な御殿を建てた、という話をよく耳にする。
いつの世も、時代の変化・パラダイムを先読みして、観察力に優れた人たちが成功する確率は高い。現代のソフトウェア開発も同じことだろう。
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