忘れえぬ光景

受験引率の時父親逝去の訃報が 38年前

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 受験引率の時父親逝去の訃報が 38年前


 20171109
 


11月は寒蘭展のオンパレードである。
週末もメインの嬉野寒蘭展示会に出かける。

自分では、上手く育てられないから寒蘭愛好家・プロの作品を観て廻ることにしている。
退職してから、植木・盆栽など趣味の園芸をはじめても身に付かないことがよくわかっている。
寒蘭の優美で気品高い姿と白檀・沈香の甘い香りだけで満足すれば事足りるのだ。

知人の蘭トモから開花時期だけ数鉢拝借して(レンタル・リース的で謝礼は焼酎)書斎でかほりと姿を愉しむことにしている。
時期が終われば返却するだけでよい。
寒蘭にとっても枯らされずに幸いなことである。

知人の紹介を受けて、千鉢以上も育てている愛好家の蘭舎を訪ねた。


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 あの時の判断と行動は間違っていなかった


話が寒蘭から移り、その時、四方山話に登場した噺で、寒蘭がテーマではない。

その方の奥方の姉さんの長男を3年時に担任していたことが、姓名から判った。
新卒から16年間母校の英語教師をして、覚えきれないほど卒業生がいるが、この生徒はよく記憶に残っていた。

山口大学の二次試験にクラスの他の生徒と共に引率していた。

ところが、二日目の早朝、湯田温泉の宿泊旅館に父親の訃報が突然飛び込んできた。
連絡を受けた私も、はじめての経験なのでいささか判断に迷い狼狽えた。

朝出がけに父親(中学教師)の死去を正直に伝えれば、本人が動転して実力を発揮できなくなるだろう。
即座に判断して誰にも伝えなかった。
いささか、罪悪感があったが、本人の将来(不合格)を考えての措置であった。

湯田温泉は、観光用SL「貴婦人号」を走らせるローカル線(運行本数の少ない)だった。
旅館にレンタカーを手続き・手配してもらって、午後全日程終了時、受験場から現れるのを待った。

本人に、この悲しい知らせ伝えるのは辛い任務であった。
事情を話し、沈黙を詫び、最寄りの小郡駅まで受験生たちを車で送り届け、急いで帰還させた。

帰宅したらすぐに葬儀に参列しなければならなかった。
余程疲れていたのだろう。
葬儀よりも、川棚のお寺の石段が急峻でとても長かったのが脳裏に焼き付いている。

教師は、学生生徒に対して、学者・役者・医者・易者(4原則)で努めなければならない。
あの時の理系クラスの受験生は、全員見事に合格し山口大・理学部を卒業した。
いまでも、あの時の判断と行動は間違っていなかった、と確信している。

現在は、すでに55歳になり、東福岡の私立高校で物理の教師をしているそうだ。
松本清張の「点と線」ではないが、不思議と忘れていた遠い昔噺が飛び込んで線となる。




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