教育評論

『水からの伝言』 

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水の結晶 「ありがとう」





 『水からの伝言』 江本勝


先日、古陶磁の水漏れの修理をしていて、瞬間接着剤を塗りながら、「どうして水漏れが止まらないのか」と苛立ってぶつくさ言っていたら、やはり水が漏れた。

先ほど、水の結晶の話を思い出して、「何百年もよく頑張ったね」と言いながら接着したら、数分後に水漏れが止まっていた。不思議なことである。

量子力学を少々かじり、デイヴィド・ボームの「部分と全体は連動する」というホログラフィ理論を体験的に納得してはいるが、超常現象としてではなくほんとうに驚いてしまった。

人の願いと水の心は連動するのだろうか?
植物にクラシック音楽を聴かせて成長を促したり、密室の殺人事件を同室の観葉植物が解決したりした話、庭の植木や花々は水遣りの下駄の音を聞いて育つ話、は記憶にある。

人間だけが、知恵と心を獲得して特別の存在だと傲慢になっているだけではないだろうか?
水に心がある、など荒唐無稽すぎて証明する必要はないだろうが、存在しないという確たる反証も残念ながら現代科学は到達してはいない。

これまで、無視、酷使を続けてきたヒト以外の生物、水、岩石にも心があると証明されれば、世界観が180度転換するだろう。ただでさえ、人類が増殖を続けるために地球が悲鳴を上げているというのに。
水との対話は、念じ続ければ花開く、ギリシャ神話の「ピグマリオン効果」そのものではないか。

なにを信じてよいのか、皆目見当がつかないこのカオスの時代に、化学的な真偽のほどは別として、こんなフィクションが誕生したことを拍手して歓迎したい。

いかなる國の指導者たちの演説や侵略・軍事行動の釈明も詭弁と欺瞞に満ちあふれ、地球を救おうとする統一思想とはほど遠い。

地球を滅亡へと追いやるこの時代に、核兵器より「水」を主役にしただけで、イシコロは、個人的にはノーベル平和特別賞を差し上げてもいい話である、と賞讃する。

地球外生命体ET、異次元へのタイムスリップなど中味の無い、娯楽だけのSFよりも、哲学、美学、芸術性が内包されてファンタジックでリアリティに富んでいる。


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水の結晶 ありがとう 1



本書は、水の結晶である氷に人類へのメッセージが読みとれるとする江本勝の著作。

本書には江本らによる独自の方法で撮影した「雪花状の氷」の写真が多数収録されている。2009年までには45ヶ国語に翻訳、世界75カ国で出版されシリーズで250万部以上が発行されるなど続編や関連書も多くあり、同様の題材で日本国内では映画、海外でも映画やドキュメンタリーが撮られている。

「水からの伝言」では水の結晶の写真に、「水に言葉をかけると、結晶の形がその言葉に影響される」といった主旨の文章がキャプションとして付されている。かつて一部の学校によって道徳教育の題材として使われたことがある。

「水からの伝言」やその続編では、「結晶を作る際に「ありがとう」や「平和」など「よい言葉」をかけると美しい雪花状の結晶ができて、「ばかやろう」や「戦争」など「悪い言葉」をかけると汚い結晶ができる」という内容を「物語」と説明している(いずれ証明されると発言している)。

同書によれば「言葉のかけ方」とは、「紙に言葉を書き、水から見えるように文字の書かれた面を内側にして、水をいれた瓶に貼ることである。あるいは「水の入った瓶に向かって声をかけ」てもよい。また「水を入れた瓶に音楽を聴かせると音楽の種類によって結晶形が変わる」といった主旨の記述がなされている。ただし、本書に用いられている写真は記述内容に沿う結晶を選んで撮影したものを掲載したことを江本が公言している。

 批判

日本化学会や日本物理学会の会員達は「科学的でない」という見解を表明している。また科学者達によって説明内容が疑似科学的(あるいはいわゆる"オカルト"的)だとも評価されている。トンデモ本を批判的に楽しむ団体「と学会」からは、“「戦争」ではなく「war」ならどうなるのか ”と批判されている。

 科学的な注釈

写真にあるものは雪花状の氷であり、雪や霜と同様に「気相成長」によって生じた、つまり種となる氷に周辺の水蒸気がくっついてできたものである。あるいは「小さな霜」といえる。結晶の形は中谷宇吉郎が研究した雪の結晶形の成長条件に従って、雪花状に成長するかどうかは温度と水蒸気量で決まる。形こそ雪花状であるが、雪や霜がそうであるように、分子構造は普通の氷と同じである。

また、藤倉珊は『トンデモ本の世界T』において、同じく中谷宇吉郎の研究を取り上げチンダル像による負結晶(逆結晶)別名「ウォーター・フラワー (Water Flower)」とする異説を唱えている。

水の結晶と称される写真に、チンダル像ができる際、水蒸気によってできる穴と同じようなものが見える。「シャーレに水を分け、氷点下で凍結し、顕微鏡で視る」という撮影過程の中で、顕微鏡の落射照明により氷が融解するなどと指摘し、結晶の写真の美しさは、氷の融解する過程においてタイミング良く負結晶ができる瞬間の写真が撮影できるかどうか、つまりシャッターチャンスの妙味だとしている。

ただし、藤倉珊と同じと学会の会員で物理学者の菊池誠は、写真に写っているのは気相成長でできた普通の結晶であり、チンダル像だとする藤倉の説は誤りであると指摘している。

一方、江本らの作中に、「人間の意志が遠隔的に水の結晶の形状に影響することを二重盲検法により確認し、統計的に有意だった」という意味の文章がある。その作品は超心理学者のディーン・ラディン(Dean Radin)らと共同で書かれ、"Explore: The Journal of Science and Healing"(「Explore:科学と癒しのジャーナル」の意)に掲載された。しかし、これはそのメカニズムなどについても何の記述もなく、科学的に説明されているわけではない。

 社会的影響

本書を始めとする江本勝の著作の愛読者の中には、これらの記述をオカルトではなく科学的な記述であるかのように扱って、自分の都合の良いように利用する人達が現われ、その中には問題行動を起こす人もいる(例えば、学会で発表したり、その内容に対し科学的に反証するようにと要求する人がいた。しかし、科学として理科教育で取り上げられた事例は現在までのところ、ほとんど報告がないようである)[要出典]。

 教育現場

この書籍が小学校などの道徳教材に使われ問題となった。道徳授業の実践例が向山洋一の唱えるTOSSで紹介され、授業案のリンク集である「TOSSインターネットランド」に収録されたのが広まる要因になったと見られている。これに対して教育関係者や科学者からは本書とTOSSへの激しい批判が起きた。

道徳授業で疑似科学以前のオカルトを教えることが単に批判されているだけではなく、「言葉の善し悪しを水に教わる、という内容自体がそもそも道徳教材としては不適切である。」との指摘もされ、論争は道徳授業にオカルトを取り上げることに対する批判にとどまらなかった。

また「画一的美的感覚の押しつけであるとの指摘もあった。2005年、科学ライター松永和紀の実娘が学校の道徳の時間に教師が瓶に入ったご飯に「ありがとう」「バカ」と書いた紙片を貼ったら「バカ」と書いた瓶に入ったご飯から黒カビが生えた、故に悪い言葉の使用は控えるようにとの指導がなされた事を親に報告。

問題視した松永は件の教師(とその指導方法)を娘が通う学校に警告しようとするも娘の「誰も信じてないよ」の一言で警告を控えた。後に自身の職業的立場から多少波風が立っても警告は行なっておくべきだったと後悔している旨を自著にて明かしている。

 政治

2001年3月の参議院文教科学委員会で、公明党の松あきらが肯定的に引用した。
2003年3月、千葉県浦安市市報にて松崎秀樹市長が、稲に「ありがとう」「ばかやろう」と声をかけた場合の実験をいじめの道徳問題に絡ませた発言を掲載。
2010年、安倍昭恵のスマイルトーク。江本勝氏とは20年来の付き合い。

オノ・ヨーコは2004年のクリスマスメッセージで本書を紹介した。
2005年に公開された仮面ライダー THE FIRSTにおいて、黄川田将也が演じる、主人公の化学者本郷猛の研究が本書籍の内容と酷似している。

2006年、本書の内容を含んだ映画『ストーンエイジ』が公開され、当時参議院議員の大仁田厚が推薦した。
歌手の倖田來未がテレビ番組『中居正広の金曜日のスマたちへ』出演時、本書に肯定的な発言をした。
歌手の米倉千尋が江本勝の著書に影響され、日頃水を飲む時に「ありがとう」と語りかけてから飲んでいると公言した。

2012年、芸能事務所アミューズ所属俳優の佐藤健が雑誌ダ・ヴィンチ(メディアファクトリー)のインタビュー取材にて本書を推薦。

宮崎哲弥はネット番組において「水素と酸素で構成されているだけの物質が日々変化する世界中のあらゆる言語を把握できるわけがない」、「馬鹿野郎・・・と聞いて美しいと取るか、汚いと取るかという判断は人間次第で、水に絶対的な判断力があるとは考えられない」と極めて批判的な見解を述べている。(Wikipedia)





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